
マスクが手放せない毎日が続くなか、「口呼吸」になる人が増えているといいます。これから、ますます寒い日が続きウイルス感染が心配になりますが、なぜ口呼吸だと良くないのか、どんな対策をとるべきなのか、改めてまとめてみました。
人は、鼻で呼吸するのが自然な姿とされています。鼻呼吸には、健康を守るためにさまざまなメリットがあります。
鼻呼吸のメリット1:空気を加湿する
鼻呼吸をすると、吸った空気を鼻水が加湿してくれます。体内に入る空気は湿度90%以上となり、鼻やのどなどを乾燥から守ってくれます。
鼻呼吸のメリット2:空気を浄化する
鼻粘膜には、微細な線毛と粘液層があり、鼻から入ってきた空気を浄化する働きがあります。鼻がフィルターのような役割をもち、空気中に含まれる細菌やウイルスなどを捕まえて、きれいな状態の空気を身体に取り込むことができます。
鼻呼吸のメリット3:空気を温める
鼻呼吸すると、空気を35〜37度ほどに温めることができます。冷たい空気が肺に入り込むのを避けられるので、身体への負担が軽減できます。冷たい空気の影響で、肺の免疫力が低下することも避けられます。
口呼吸をすると、鼻呼吸で得られるようなメリットは期待できません。
口呼吸では空気を加湿することや温めることもないまま体内に取り込まれるため、乾燥や免疫力の低下を招きやすくなります。なにより、細菌やウイルスを除去する働きが望めないので、感染リスクを減らすこともできません。また、マスクをつけて口呼吸することで、口臭がきつくなったり、二酸化炭素を多く吐き出すことで頭痛や過呼吸などを引き起こしたりすることもあります。
マスクをする生活を長く続けていると、普段は鼻呼吸ができている人でも、息苦しくて口呼吸になりがちです。そんな場合には、マスクの下で「ガム」をかむようにしたり、「アロマスプレー」をつけたりして、鼻呼吸を意識するようにしましょう。
また、最近はマスクの中にとりつけられる「ノーズワイヤー」や「補助フレーム」なども販売されていますので、これらを活用して顔とマスクの間にすき間をつくり、不快感を解消するのもおすすめ。他にも、マスクをはずせる場所ではマスクをはずし、大きくゆっくり深呼吸することも、口呼吸の改善に一役かいます。
本格的な冬に向けて、マスクは必要不可欠なものですが、その中で口呼吸をしていると健康を損ねてしまうことにもなりかねません。無理のない範囲で鼻呼吸を続けながら、寒い時期を元気に乗りきりましょう。
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